<ECLIPSE>

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だけど死にたいわけじゃない
自分を見ている自分を見ている自分。果たしてどこまで自分が続くのだろうとおもうほど、合わせ鏡のような世界がこころに広がっている。居るのはただひたすら「私」だけの、狂気だ。しかもそれは万華鏡のようにゆっくりと回っていて、私はちぎれて、つながって、変な顔になって、バラバラに融合していく。タチの悪い細胞分裂みたいに。誰かを思いだすときもそんな風に見えているかもしれない。規則正しく歪んで、はなれて、もどってくる顔が覗きこんでいるよ。どこまでもソリッドな世界で私はマーブル模様を恋しく思う。いっそのこと何もかも混ざり合えてしまったら、ぐにゃぐにゃと混ざり合って右も左も分からなくなって流れる、ひとつの通低音になれてしまったらと、そんなことを真面目に考える。

彼が私の脳ミソを引き受けて、ひとつの体で考えてくれたら、恋しい気持ちも、ひとりぼっちの悲しみも、もどかしい距離もすべて満たされる。ただ一つできなくなることは、彼が私の皮膚を撫で、ぬくもりを嗅ぎ、柔らかな肉に埋もれることくらいだろう。自分勝手だと言われようと物理的に不可能だろうと、ときどき誰かの血肉に一体化してしまいたい欲望はどうしようもない。フロイト先生に幼児退行と言われてしまえばそれまでだけど。母や、恋人や、親しい友や、特定の誰かが恋しいのではなくて、なのにひどく寂しいというのは、本当に寂しいというのはそういうことのような気がする。抱きしめてどうにかなることじゃない、不毛に贅沢な寂しさだ。

馬鹿げた情動に消し飛ばされないように、私はこの世で出会えた人々の名を順繰りに呼んでみる。大切な、名前。遠いとおい未来、ほとんどいつかは誰からも忘れ去られてしまう名前。でも今は、明確な発音と特別な響きを持つ名前。馴染みのある名前。いつか名無しになってしまう私にも、今は呼ぶことを許されている名前。せっかく同じ世界に生まれてきたのに、なぜいつか別れてしまうんだろう。この世を去るまえにさえ、記憶からするりと落ちてしまうかもしれない。忘れたいことのほうが多いけれど、それは忘れたいことが多いだけで、忘れたくないことが全然ないわけじゃない。

誰かがいつか私に言った。「どうして君は死についてばかり話すんだい?僕は今生きているのに、死ぬ話なんてしたくないんだよ」。「死んだらきっともう死を考えることはできないからよ。」とりあえず答えただけの答えは屁理屈みたいだった。

本当はどうしてかなんて知らない。
ただ私は生きているのに、死ぬ話をしたい人間だ。
ただそれだけだ。
































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| 未分類 | 02:20 | トラックバック:0コメント:0
きらめきのなかですれ違う
私は泣いているかな
郵便配達は鳴らすベルがないので
困り果てている

闇の中で君を抱き取る
手は もっと
暖かなくなければいけないね

そうだよ
すべてが誤配からはじまる
私のはじまりも
君のはじまりも
あやまってこの世に届けられた
産声

そしてすべてが

誰かが生き損ねた空白を生きるために

焦ることないよ
叶わなかった夢は
きっと 誰かが叶えてくれる
見つからなかった夢も
きっと見つかるから

リゾーム リゾーム リゾーム
断つことも発つ事もできないよ

だけど
焦ることないよ
私たちの失敗は
きっと
いつか誰かの成功になるから

宛先なんてあってないようなもの
だって私たちの名前は
いつだってWelcomeと手招きする
未来に 吸い込まれて消えてしまうから



きらめきの中ですれ違う
同じ名前に宛てられた
無数の手紙

































| 未分類 | 22:59 | トラックバック:0コメント:0
名を借りた手紙 Tへ
欲しいものが分からないって重症かな。どうしても欲しいもの、そういうものが欲しい。そういうふうな生ってなんだか不甲斐ないものなんだろうか。でも欲しいものって、お金とか、名誉とか、愛とかじゃなくて、たぶんセブンイレブンでダースを買うためのお金とか、尊敬する人からのたった一言の労いとか、大好きな人の何気ない微笑みとか、そういうふうにしか分からないものだと私は思うんだよ。普段思ってるような本当に欲しいものなんて、無いんじゃないかって思う。今日を生きていくのに必要なのは、今日というすぐ風に吹き飛んでしまうような時間軸の中で空白を埋めていってくれる小さな小さなものや出来事たちで、想像力の外側にあるような崇高な目標じゃない。もちろん生きるのには、遥か彼方にある星のために望遠鏡を覗くこともとにき大切だと思う。でも、この星の表面で暮らしていくためには近視用のメガネが要るみたいだ。

踏み出す一歩のための勇気より、私はとりあえず同じ場所にいるということが恐くてじたばたしてしまうよ。何かが変わることより、何も変わらないことのほうがなぜか恐ろしくて。

ところで我々のブログの背景はなぜ真っ黒なのだろうね。宇宙だから?光を求めるから?はたまたいろんな色が混ざりすぎたの?喪に服しているの?何日も人に会わずにいると、もう自分なんていないような気がしてくる。存在にはやっぱり証明 / 照明が必要なのかな。過去を枠に入れた写真も、私の名前を呼ぶ声も、好きな人とかも。闇の中では何の証明も要らないような。塗りつぶされた空間にただ揺らゆら漂って、何も見えなくて、誰に見られることもなくて、私はそういうところが、自分の存在を試すような場所が、いやむしろ存在なんてはじめから無いようなその「無さ」が、まぶたをゆっくりと下ろさせるので安心する。毎日私の目は開いているはずなのに、何も本当のものを見ていないように感じて、光はときどき疲れるから。


ところで、スルーされた猫こんど紹介して。
あと君の名前は、もしかしてThank youなのかい?






















| 未分類 | 22:35 | トラックバック:0コメント:0
ひじをぶつけて鳴いた
私の指は書かない
感動も衝動もない
死んだ
恋人にすら
きく

読むのも書くのも
嫌い
になる前に

書物は辞書のようだ
よく考えなかったら
大したことじゃない
そう

命の置かれた場も

言葉を失う前に
話がしたい人
伝えたいことなんて
ないけど

ただことばを
交わせるということが
受け取り
発し
環が続くということが

どんな翻訳不可能性より
偉大だということ

死だとしても
大丈夫だとしても
羨ましい

涙も 雪も 心臓の収縮も
コーヒーも 切られた爪も
電信柱も マンホールも
発しているのに

ホタルは死んで
夏が来たら
甦る


わたし
ということに
意味はないのでしょう?



























| 未分類 | 05:37 | トラックバック:0コメント:0
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PROFILE

☆
☆Author: 久美子
生まれ変わるなら、星か鳥になりたいと思う。
地上に「愛」が存在するならば、すべてを愛し、すべてに愛されたい。
命の灯をともして、日食の闇に、うごめく。



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