<ECLIPSE>

スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
| スポンサー広告 | --:-- |
だけど死にたいわけじゃない
自分を見ている自分を見ている自分。果たしてどこまで自分が続くのだろうとおもうほど、合わせ鏡のような世界がこころに広がっている。居るのはただひたすら「私」だけの、狂気だ。しかもそれは万華鏡のようにゆっくりと回っていて、私はちぎれて、つながって、変な顔になって、バラバラに融合していく。タチの悪い細胞分裂みたいに。誰かを思いだすときもそんな風に見えているかもしれない。規則正しく歪んで、はなれて、もどってくる顔が覗きこんでいるよ。どこまでもソリッドな世界で私はマーブル模様を恋しく思う。いっそのこと何もかも混ざり合えてしまったら、ぐにゃぐにゃと混ざり合って右も左も分からなくなって流れる、ひとつの通低音になれてしまったらと、そんなことを真面目に考える。

彼が私の脳ミソを引き受けて、ひとつの体で考えてくれたら、恋しい気持ちも、ひとりぼっちの悲しみも、もどかしい距離もすべて満たされる。ただ一つできなくなることは、彼が私の皮膚を撫で、ぬくもりを嗅ぎ、柔らかな肉に埋もれることくらいだろう。自分勝手だと言われようと物理的に不可能だろうと、ときどき誰かの血肉に一体化してしまいたい欲望はどうしようもない。フロイト先生に幼児退行と言われてしまえばそれまでだけど。母や、恋人や、親しい友や、特定の誰かが恋しいのではなくて、なのにひどく寂しいというのは、本当に寂しいというのはそういうことのような気がする。抱きしめてどうにかなることじゃない、不毛に贅沢な寂しさだ。

馬鹿げた情動に消し飛ばされないように、私はこの世で出会えた人々の名を順繰りに呼んでみる。大切な、名前。遠いとおい未来、ほとんどいつかは誰からも忘れ去られてしまう名前。でも今は、明確な発音と特別な響きを持つ名前。馴染みのある名前。いつか名無しになってしまう私にも、今は呼ぶことを許されている名前。せっかく同じ世界に生まれてきたのに、なぜいつか別れてしまうんだろう。この世を去るまえにさえ、記憶からするりと落ちてしまうかもしれない。忘れたいことのほうが多いけれど、それは忘れたいことが多いだけで、忘れたくないことが全然ないわけじゃない。

誰かがいつか私に言った。「どうして君は死についてばかり話すんだい?僕は今生きているのに、死ぬ話なんてしたくないんだよ」。「死んだらきっともう死を考えることはできないからよ。」とりあえず答えただけの答えは屁理屈みたいだった。

本当はどうしてかなんて知らない。
ただ私は生きているのに、死ぬ話をしたい人間だ。
ただそれだけだ。
































スポンサーサイト
| 未分類 | 02:20 | トラックバック:0コメント:0
| ホーム |

01 | 2008/02 | 03
S M T W T F S
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 -
PROFILE

☆
☆Author: 久美子
生まれ変わるなら、星か鳥になりたいと思う。
地上に「愛」が存在するならば、すべてを愛し、すべてに愛されたい。
命の灯をともして、日食の闇に、うごめく。



RECOMMEND
  • SELECTED ENTRIES
  • (12/07)
  • (11/19)
  • (07/19)
  • (06/23)
  • (05/27)
  • CATEGORIES
    ARCHIVES
    RECENT COMMENTS
  • TAKK (03/23)
  • TAKK (07/04)
  • kumy (06/09)
  • TAKK (06/08)
  • ash (02/14)
  • (01/01)
  • kumiko (12/07)
  • RECENT TRACKBACK
    LINKS
    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。