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ユートピア1



Utopia―この言葉を聞いて、人は何を感じるのだろう。私はもう4年生なので、卒論に取り組んでいる。テーマはユートピアだ。今日はそのことについて、少し書き記しておこうと思う。

ユートピアとは、もともとSir Thomas Moreの造語で、「どこにも無いところ」というのが大元の意味である。彼の『ユートピア』を基点として、様々なユートピア像が描かれ、またそれに対するアンチ・ユートピアというものも多く産出されてきた。モアのこの作品以前にも、多くの人々が理想の国家、理想郷といったものを書き記してきたし、また私の考えでは民話や神話、また宗教の経典にあらわされる世界もユートピアの最たるものであると思う。つまり、天国、浄土、といったようなものから、地下や森の奥にある異世界、日本では「浦島太郎」の竜宮城まで。

ユートピアは人間の営みに大きな影響を及ぼしてきたと思う。そして、ユートピアを実現しようという試みが様々に成されてきた。しかし時に「人間の理想」と銘打たれた限定的なユートピア像によって、人々が扇動され、多くの惨劇を招いてきたことも事実である。そのため、現代においてユートピアは純粋な意味で「理想的な」と称されるようなものではなく、負のイメージを抱え込んでいる。

世界の状態は、まさに今ユートピアを喪失している。勿論、現実を見失ない、悲劇の再来を招くようなユートピア像の蔓延は防がねばならず、人道的(?)な視点から見れば共通の目標を持って―世界平和とか、貧困撲滅とか―そういう方向に向かっていることは事実だろう。しかし、事実と真実は違う。民主主義、資本主義、この二つの柱に支えられた屋根の下で、生きている。陣取り合戦、快適な暮らしのための闘いが繰り広げられる。あらゆるものの資源化、当たり前のように身近にあったもの、それが価値を持ったとたんに奪い合いが始まり、あらゆる価値は相対化される。

相対化された世界で、人々は「絶対」という言葉を使えなくなる。または「絶対」という言葉がぺろりと喰われてしまうような世界。どちらに進んだらいいか分からず、「出し尽くされた」観のある要素をとっかえひっかえ組み合わせてみては、それを「新しい」ものとして提示することに熱中する。また、それらの要素を統合する人間でさえ結局は要素の組み合わせ(遺伝子を考えれば分かる)であり、何者もこの相対化から逃れることができない。―人々が「自分の価値」に疑問を持つとき、それは比較という、物事を相対化する行為から生じるのだ。つまり、現代におけるあらゆるものは、常に疑問視される。

そして、偽りの「自由」がそれを助長する。

「今は、生きていける意味がなくても生きていける時代になったんじゃないですか。」それは事実だろう。そう、その言葉どおり、生きていけるだけだ。生きられるとか、生きられないとか、そういうことではない。「生きる」ことに集中しなければならない。―「生きる」ことに、集中する。  

つづく
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☆Author: 久美子
生まれ変わるなら、星か鳥になりたいと思う。
地上に「愛」が存在するならば、すべてを愛し、すべてに愛されたい。
命の灯をともして、日食の闇に、うごめく。



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