<ECLIPSE>

猫と女、偽装 | main | 日食
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
| スポンサー広告 | --:-- |
雨垂れ
雨の音がする。台風が来ているというから、明日はきっと一日中雨ね。嬉しい。優しく雨戸を打つ雨の音に、雨が好きだったことを思い出した。

まだ幼かった頃、ぽつりぽつりと降りだした雨に両手をさし伸ばして、その濡れた手の平を顔に近づけ、母にこう言ったらしい。「ママ、お星さまのにおいがするよ。」

高校生の時も、日記にこう書いている。「雨の、はじまりと終わりの空間はきっと歪んでいる。だからこんなに静かなのよ。皆一瞬静まり返って、浄化されるのを待っている。正常な空間に曝されて熱くなってしまった身体と心を、冷やしてくれるのを待ってる。雨が降れば、人は透明にされて、そしてあらゆるものとつながれて、自分が何者であるかを理解する。そしてまた、歩き出す。」

今でも、それは変わらない。雨が降ると、雨雲にすっぽり覆われたすべてのひとも、ものも、浄化されるような気がして。雨は、悲しみや、憎しみや、消せない過去や、許されない罪さえ洗い流してくれる。だから泣きたくなるような日は決まって、「雨が降らないかなぁ」と願っていた。それに、雨の降る日は、少なくとも一人ではなかった。線を描く雨粒で、空間がつなげられていたから。そう思い始めたのは、高校からの帰り道、ずぶ濡れで自転車を引いて坂を上って、ふと電灯を見上げたときだったと思う。人工の白い光に照らされた雨粒が、絶え間なく降り続いて空間を満たしているのを見た。生ぬるい夏の雨にうたれながら、なぜか、「ああ、全部繋がってるんだ」と思った。

それ以来、後に用事の無い時は、傘をささずに帰る。懐かしい土の匂いを嗅ぎ、雨を感じながら。雨が止んで、太陽が出て、雨水が天にかえるとき、流されたいくつもの涙も天にかえる―

スポンサーサイト
| 未分類 | 03:17 | トラックバック:0コメント:0
コメント
コメントする













管理者にだけ表示を許可する

この記事のトラックバックURL
http://espilce.blog17.fc2.com/tb.php/2-1c53f529
トラックバック
| ホーム |

04 | 2017/05 | 06
S M T W T F S
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -
PROFILE

☆
☆Author: 久美子
生まれ変わるなら、星か鳥になりたいと思う。
地上に「愛」が存在するならば、すべてを愛し、すべてに愛されたい。
命の灯をともして、日食の闇に、うごめく。



RECOMMEND
  • SELECTED ENTRIES
  • (12/07)
  • (11/19)
  • (07/19)
  • (06/23)
  • (05/27)
  • CATEGORIES
    ARCHIVES
    RECENT COMMENTS
  • TAKK (03/23)
  • TAKK (07/04)
  • kumy (06/09)
  • TAKK (06/08)
  • ash (02/14)
  • (01/01)
  • kumiko (12/07)
  • RECENT TRACKBACK
    LINKS
    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。