<ECLIPSE>

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the world is out-of-joint
はなのいろは うつりにけりな いたづらに

わがみよにふる ながめせしまに



今夜、この街に春の長雨が降る。かすかな雨音に気がついて窓を開けると、どこからともなく百合の花のような香りがする。百合はいつでも雨に打たれているのだろう。土の温かさにちょっと余計な艶めかしさを付けくわえてしまうものだから。

きっと中学以来思い出しもしなかっただろう小野小町の後姿が思い浮かんだ。長い黒髪、幾重にも彩られた衣、彼女がひきずっていたのは一体何だっただろう。彼女はいつも後姿しか見せない。鏡面に背を向けるように周到に隠されたその顔。誰も見たことのない目で、彼女は何を見ていただろう。それはきっとぼやけた光の中に浮かび上がる平面化されたスクリーン。雨の音にすべてが三次元のリアリティを失うような現実。

雨は見るものではない。きくものだ。その音は開かれた書物をまるで茶色身を帯びた古い地図のようにしてしまう。なぜだろう、雨の降る夜には、すべてがもはや過去のものでしかないように感じられるのは。



雨音が途切れないうちに寝てしまおう。

鏡に背を向けて。








































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☆Author: 久美子
生まれ変わるなら、星か鳥になりたいと思う。
地上に「愛」が存在するならば、すべてを愛し、すべてに愛されたい。
命の灯をともして、日食の闇に、うごめく。



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