<ECLIPSE>

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彼は海に抱かれているらしい。波をともなって。「世間の荒波にはうまく乗れなかったけれど。」と彼は言った。たぶん少しだけ、私の声を思い出しながら、冷たい風に目を細めるんだろう。私の声と私の残したしわくちゃのすべては、今も変わっていませんか。私は今も変わらずに、やっぱり変わらずに、愛しているのだろうか。私は何に背中を押されてここまで来たのだろう。生きていることの過剰。どうしようと噛みしめ切れないような、まるで消化なんかできないような、生きていることの強さ。貫くような光を放つ、重々しくて耐えきれないような、生きていることの強度。ひとつひとつの、震えるような強烈さ。それから逃げるようにして、実はそれを貪るように追っていた。

自分が誰だか分らなくなるときがよくある。私はいったい誰で、どこにいるのか。何をしているのかははっきりと分かるのに。とても自分勝手かも知れないけど、たぶん私は、永遠に変わらないはずのわたしを覚えていてくれる人が必要なのだ。道端に小さく咲く優しい忘れな草を、わたしのために指さしてくれるような人。彼が愛する私という人間が、どんなふうであるのかを、あたかもすでにそこにあったかのように、思い出させてくれるひと。私がわたしとして、過去にも未来にもとらわれずに、このからだを痙攣させる強さと向き合い、そしてそれを生きぬくことを許してくれるひと。私のちじこまった背中を撫でるのじゃなくて、涙を拭うのでもなくて、毎日、毎秒毎秒を耐えるように生きているこのどうしようもない震えを愛してくれるひと。殺すものも生かすものも私だった。私が何かだというのじゃなくて、この震えが私だった。それが、どうしようもないわたしだった。























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☆
☆Author: 久美子
生まれ変わるなら、星か鳥になりたいと思う。
地上に「愛」が存在するならば、すべてを愛し、すべてに愛されたい。
命の灯をともして、日食の闇に、うごめく。



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